「きっかけのチカラ」は、おとなラグビーコミュニティーに関わる方へ向けて、ラグビーの魅力を発信するコラムです。2023年7月おとラグ@釜石は、釜石鵜住居復興スタジアム(岩手県釜石市)で開催されました。きっかけのチカラ vol.8 では、ラグビーワールドカップ™日本大会の会場で実施したおとラグの魅力、また釜石の魅力を参加した皆さんに伺いました。
ーー昨年(2023年7月)のおとラグ@釜石にご参加いただきました。参加のきっかけを教えてください。
まゆみ:日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石シーウェイブス)は試合の終了後に、会場でラグビー教室をやります。進行は子どもに合わせられるので、大人向けの体験があるといいなと思っていたところ、釜石でおとラグがあるのをX(旧:Twitter)で知って絶対に参加したいと思いました!
fujiclub7:普段、女子ラグビーを応援していますが、前年(2022年)に女子の15人制の試合が釜石で行われたのですが、その時は行けなかったんです。そのため釜石には別の機会に絶対に行きたいと思っていたところ、おとラグが釜石で開催されることを知り、迷わず参加を決めました!釜石は大学の後輩の片岡将選手(釜石シーウェーブス)がいるので応援しています。静岡在住ですが、周囲に釜石シーウェーブスを応援する人がいなくて、おとラグを通じて釜石シーウェーブスファンを増やしたいと思って、どのような人と出会えるのか楽しみにしていました。
Tomtom:おとラグのことは、喜連選手のstand.fm配信で知りました。選手主催のイベントは関東や関西開催が中心のイメージだったので、地方で開催してくれるんだ!?と思いました。申し込みをしてから当日まで、どんな距離感でどんな感じで教えていただけるのか分からないソワソワと、現役選手に実際にお会い出来るというワクワクと、参加者の皆さんと上手く交流出来るのかというドキドキが混ざっていました。
myi:住んでいる東北エリアでの開催に驚きもありましたが、東北のラグビー好きの方々と会える喜びの方が大きかったです!東北の方々と知り合い、コミュニティーが広がることを願って申し込みました。
たけ:おとラグの開催はSNSで知りました。関東や関西などでの開催が多く、一度参加してみたい!と思っていた時に、釜石での開催があることを知って「参加するしかない!!」と、迷わず参加しました。
もも:釜石で開催してくれるとは思ってもみませんでした。ラグビーを見るだけじゃなく、ちょっとボールに触るくらいしてみたいなぁと思っていたので地元で開催されるし良いチャンスだと思い参加しました。
ーー今振り返ってみて、参加していかがでしたか。
Tomtom:私は初めてラグビーと近くで触れる瞬間がおとラグだったので、やはり新鮮でしたし、ラグビーを身体で感じられてより一層観戦が楽しくなりました。現地で現役の選手と一緒に、体験できるのもすごい楽しかったです。
fujiclub7:当日はジャージをたくさん持っていて、会場で写真を撮りました。例えば女子を応援する人が増えてくれたいいな、という想いもあって日本代表ジャージを持って行きましたし、もちろん釜石シーウェーブスのジャージも持って行きました。
まゆみ:おとラグでは、初めてコンバージョンキックをしました。写真がおとラグサイトに載っているんですよね(笑)。次は、リベンジしに行こうかと思っています。運動部ではなかったですが、「ラグビーが好きだからプレーもやってみたいな」と思って申し込みましたが、本当に現役の選手が教えてくれて、皆さんと一緒に楽しめるってすごく良い機会だと思うんです。もちろんまだ出来ないプレーもありますが、それも含めて楽しいです!
ーー会場がRWC2019の会場になった釜石鵜住居復興スタジアムでした。
もも:ワールドカップの会場/リーグワンの会場で開催されるおとラグは釜石だけじゃないでしょうか。選手が使うあのロッカールームで準備をして、選手が入場してくるあの入り口を通って、あのグラウンドに立つ。貴重な経験です。
Tomtom:ワールドカップの会場で、かつリーグワンの公式戦でも使用するスタジアムに入れるって大きいですよね!会場の中に入れることはなかなかないなって思ってたので、それもすごく楽しかったですし、良かったです。また「復興スタジアム」というだけあって、実際に被災した現地を見て、今の現状を知ってもらうきっかけになったと思います。
fujiclub7:(釜石シーウェーブスが属する)DIVISION2の応援で釜石鵜住居復興スタジアムに行ったことがある人は、良い会場と言いますよね。スタジアムに魅力があるし、おとラグが合わさってさらに魅力があります。言葉では言い表せないけれどパワースポット的な神秘的な力があります。そこに行ったり、グラウンドに立ったりするだけで、力をもらえます。スタジアムだけれど、スタジアムではない部分の共存とか、自然との距離感とか。
ーー釜石ではアフターマッチファンクションだけではなく、前夜祭があったのですよね。
fujiclub7:他の地方から来る人が多かったのですが、釜石シーウェーブスファンは地元以外にもいて、わざわざ遠征して来るんです。おとラグ参加者の想いをみんなで共有して、さらにそれを釜石シーウェーブスの選手も一緒に語り合ってくれました。それぞれファン目線・選手目線で意見交換して「より応援しよう」という気持ちになりましたし、選手にとっては応援してくれる人が県外にもいるって知れたのは良かったと思います。
Tomtom:私はおとラグ当日だけの参加でしたが、前夜祭に行けば良かったなってすごく感じました。あんなに交流ができて友達が増えて…それこそ、これまでは喜連選手や釜石シーウェーブスの選手とも交流ができる機会がほとんどなかったから。
もも:前日に釜石のお酒を飲んで釜石のお魚を食べながら喜連選手や釜石シーウェイブスの選手と参加者が交流できるのはかなりの魅力です。参加した方のお話を聞いたり写真を見て、私は前回この交流会に参加出来なかったことを9カ月引きずっています…笑
ーーおとラグ後も、つながりができたそうですね。
Tomtom:他の地方から来る方と交流するっていう機会がこれまではなかったので、おとラグがきっかけで仲良くなれたのはほんとうに良かったです!大人で且つラグビーを通して友達が増えたのがとても嬉しかったです。2015年からラグビーファンですが、おとラグをきっかけに釜石鵜住居復興スタジアムまで観戦に行くようになりました。
まゆみ:『仲間作り』なんてワードがありましたが、イベントで仲良くなる、連絡先を交換する程の交流をする自信がありませんでした。その日楽しめたら良いと思って参加しました。でも、その後ビーチラグビーもあって、今シーズンは割と他の会場にも行ってます。試合会場でおとラグに参加した人からは声をかけられるようになりました。自分からも声をかけられるようになって、自分でもびっくりしています!観戦友達が欲しかったので、おとラグが良いきっかけになりました。地元でも釜石シーウェーブスを応援している人とも話ができるようになりました。
たけ:おとラグに参加するまでは、釜石シーウェーブスも1人で応援していました。おとラグで楕円の輪が信じられないほど一気に広がりました。おとラグを通じて出会えた友達と試合会場で再開出来ることがとても嬉しいですし、おとラグを通じて出会えた友達と試合観戦することが増えました。会うと会話ができるから一人で行くよりも楽しいです。今まで一人で遠征するのをためらっていましたが、皆さんと知り合ってから遠征に行くようにもなりました!
fujiclub7:おとラグに参加して仲間が増えて、釜石へ行けばみんなに会えるし、ビジターでもそれぞれ会場に行けば知っている誰かが必ずいる。前夜祭もあって人数が少ない分、選手とも繋がりました。試合会場に行っても選手とおとラグの絆で繋がっている感じが釜石は他より強いように思います。
myi:おとラグに何度か参加している知人やSNSで繋がっていた方とお会いできました。前夜祭があったので、打ち解けた状態でおとラグに参加することができました。おとラグのお陰でラグビーコミュニティーが繋がって一気に広がっています。
もも:今までひとりでラグビー観戦してたのがおとラグで出会った方々と一緒に釜石シーウェイブスを応援するようになりました。試合の後はおとラグでお世話になった美崎選手や野口選手とお話したり、近くの海岸でビーチラグビーの練習をしたり、お茶しながら試合の感想を話したり、お酒を飲みに行ったり…。大人になってからSNSだけじゃなく実際に会う新しい交流ってあまりなかったので、今こういう仲間が出来てとても楽しいです。
ーー釜石でおとラグをやる魅力は何でしょうか。
まゆみ:海、山、空。空は青ければ青いほど最高ですよね。豊かな自然と美味しい海の幸かな。あとは伝統ある釜石ラグビーの地に行ってみるとか。魅力はいっぱいあるけど語れないんですよね。
Tomtom:普段は地方だから、遠方の人だとなかなか会えません。おとラグをやると来てくれるのも魅力です。
まゆみ:釜石鵜住居復興スタジアムの裏手にラグビー神社があります。元々東京・丸の内にあったものを、みんなでお金を出し合って釜石に移設しました。
Tomtom:釜石は実際に震災があって津波が来た場所だったことを実際に来て触れて、映像も見てもらって本当に凄いことがあった場所なんだと肌身で感じてもらえます。
ーーおとラグのあとにビーチラグビーサークルを始められました。
たけ:ご縁で繋がれた友達たちと一緒にラグビーを楽しむ場所があって嬉しいです。ラグビーは1人ではできなくて、仲間としかできないので。ラグビーボールを触る機会が増えて、仲間と一緒に楽しく楕円のボールを追いかける事が出来ています。
Tomtom:サークル運営は初めてなので「できるかな」と最初は不安もありました。釜石シーウェーブスのプレシーズンマッチがあるタイミングで、試合会場の近くの海岸でみんなで集まってやりました。砂浜なので比較的ケガをしにくいですし、ラグビーとはまた違うプレー内容で一味違う面白さがあって、みんなで集まると不安も無くなりました。
まゆみ:私もサークルに参加しました!まだパス練習をする程度ですが、それだけでも楽しいです!
ーー最後に、2024年もおとラグ@釜石を開催します。釜石に行くか迷っている人たちに一言お願いします!
まゆみ:『ラグビーが好きなら、釜石に来るでしょ!』。釜石までは少し遠いですが、ラグビーが好きなら、後悔しない旅になります。鉄と魚とラグビーの街。自然豊かで美味しい料理。釜石の歴史や避けられない震災の学びも含んで、全身どっぷり釜石に染まって欲しい。魅力ありすぎます。天候に恵まれたらいいですね。
Tomtom:『私、後悔させないんで』。自然と共におとラグが出来る貴重な回です。釜石ラグビーの歴史も知れたり、復興途中の街や震災遺構などを実際に見れる機会でもあります。どうしても遠距離ではあるものの、後悔しない・させない濃厚な回です。沢山のラグビーイベントが重なる中、おとラグ@釜石を選んでくれると私は信じてます。
fujiclub7:一言で言うと『ラグビー好きのためのパワースポット』。ラグビー好きなら一度は行くべき街。街もスタジアムも魅力です。
myi:前夜祭の親睦会がとても気に入っています。前夜祭があったおかげで、次の日のおとラグも参加者とスタートからワイワイ出来ました。
『ラグビーしに来たのか?おしゃべりしに来たのか?飲みに来たのか!どれも正解です!笑』
たけ:釜石に来た事がない人は、ぜひこの機会に釜石にいらしてください。たくさん楽しい思い出が出来ます。また来たいと思える街です。
『ラグビー好きは、みんなで釜石に集合しましょう!!』
●筆者のつぶやき
参加いただい方全員からおとラグを通じて仲間とつながった話を伺いました。それまでつながっていなかった人と仲間になり、その後の試合会場での楽しさが変わってきた様子が伝わってきました。おとラグ@釜石が残したものの大きさ、素晴らしさを知りました。2024年のおとラグ@釜石は6月。近くの皆さんも遠くから遠征する方も『おとラグ@釜石旅』でお会いしましょう(行く気満々)。