「きっかけのチカラ」は、おとなラグビーコミュニティーに関わる方へ向けて、ラグビーの魅力を発信するコラムです。
『おとラグ』の熱を受け継いだビーチラグビーサークルが全国に生まれ、ラグビー愛を伝搬しています。サークルインタビューのトップバッターとしてきっかけのチカラ vol.4 では、大阪を中心に活動する『ORC』運営を担当する3人にお話を聞きました。
ーーーORCとは?よろしいですか?
【O】大阪、おとな、男、女etc
【R】ラグビー、Respect(尊重・尊敬)、Rad(スラングでサイコーの意)etc
【C】Circle(サークル)、Community、Cue(きっかけ)、Communication、Cool(カッコイイ)、Chaos(カオス)etc
ーーーORCが発足して3か月。楽しいですか。
全員: 楽しいですね!!
ーーーORCが発足するきっかけとなった『おとラグ』に参加した理由や思い出をお聞かせください。
Ami: 私は子どもがいますが、子ども向けのラグビー体験はとても多いです。それを見ていて、本当は私もやりたい!楽しそう!って思っていたのに初心者の大人向けラグビー体験はなくて…。そんな時に『おとラグ』を見つけて、これは絶対にやりたい!と思い参加しました。初めて参加した時は、最初の30分くらいで肉離れになってあとは見学していました。そうしたら、いつもラグビーを一緒に応援しているメンバーがめちゃくちゃ楽しそうで。みんなの楽しそうな顔を見て、私が求めていたことは「これだ!」と思いました。
てん: 私は以前からタグフットボールとビーチラグビーをやっています。大学ではラグビー部の学生トレーナーをしていたのですが、自分もやりたくなってきて、学生時代に1年間女子ラグビーをやりました。社会人になってからはラグビーから少し離れた時期がありましたが、タグラグビーをするイベントをきっかけに再びラグビーをするようになりました。『おとラグ』ではラグビーそのものの魅力を楽しんでいます。競技としてのラグビーも楽しいですが、勝敗が決まるから負けず嫌いな私は悔しいとかいろんな感情があります。競技だと誰かに怒られたり、檄を飛ばされることもあって、心の底からは楽しめていない部分もありました。おとラグは純粋にラグビーを楽しめていますね。競技としてやることも好きですが、プラスアルファで「自分の好きなラグビーをもっと楽しみたい」ので、おとラグがあることでラグビーの楽しみが広がりました。
Go: 僕はラグビーに興味を持ったきっかけが『きーるのぼやき(*1)』でした。喜連選手のことをラグビー選手として興味を持つ前に、ラジオパーソナリィーとして好きになりました。楽しそうに軽快に話して場を盛り上げる様子や自分の想いを“言葉”で表し伝える姿に心を動かされ、気がつけばラジオの配信が待ち遠しく、欠かさず聴くようになりました。そのラジオで大人向けのラグビー体験会を行う話を聞き『ぜひ体験したい!』と思い2022年9月に愛知で行われた『おとラグ』に参加しました。シーズン開始前だったのでラグビーを現地で観戦するより前に『おとラグ』で体験しました(笑)。おとラグの一番の魅力は『場の楽しい雰囲気』だと思います。初心者だと”失敗したくない””できなかったらどうしよう”と不安がありますが、おとラグは”失敗するのが当たり前""失敗しても楽しい"という雰囲気があって、一歩踏み出して良かった!と心から思いました。
ーーーおとラグを通じて感じる、ラグビーの魅力はなんですか。
Go: “人”ですね。おとラグで知り合った人と会いたくて、またおとラグに参加するし、スタジアムで再開したくて、試合を見に行くようになりました。おとラグで出会った人と毎週試合を見に行くようになったら気がつけば、”みんなと一緒に応援したい”の気持ちが先に来ていました。
Ami: 特に中級ではゲームが多くて、全然できない私にも「こういう風にしたらいいよ」「こっちに頂戴」とか声をかけてくれる。みんなと一緒にやっている感覚が楽しかったです。
Go: 中級ではチームプレーを感じたときに、求めていたのはこれだ!と実感しました。ゲーム形式の練習があり、仲間同士のコミュニケーションが自然と増えます。初級とは違ったチームワークが生まれた気がしました。
てん: 私はものすごく人見知りで、初級の時は正直ちょっと周囲と距離がありました。でも中級はゲームを通じて自然とコミュニケーションを取るようになって、すぐにみんなと打ち解けました。
Go: てんちゃん、中級のときにすごくキラキラしてたもんね。輝いてて目立ってた。
ーーーORCはどんな流れで立ち上がったのでしょうか。
てん: 私はもともとラグビーのイベントをしたいと思っていました。今年(2023年)のおとラグが終わって、しばらく何もないな…と思っていたときに、喜連選手のインスタライブのコメントに”関西でも何かやりましょう”と書いたことが、関西でサークルが立ち上がるきっかけになりました。サークルを始めるにあたっては、大阪で開催したおとラグ中級編のオプチャ(LINEのオープンチャット)を使わせてもらって、運営を一緒にやってくれる人を呼びかけました。そしてAmiさんとGoさんにお声かけをし、3人で関西のビーチラグビーサークルを立ち上げました。
* Ami:* 話を聴いて「楽しそう!」と思いました。
* Go:*(声がかかった時は)「是非喜んで!」でした。このようなきっかけをもらえたから、3人がこうして繋がれて仲良くなれて、さらにORCができて、いろんな人とも知り合えて新しいつながりも生まれて。楕円のご縁に感謝しかないです!
てん: 3人とも中級で顔を合わせて、ORCで一気に距離が近づきました。実は初級の時も一緒だったのに、そのときは覚えていませんでした(笑)。
Go: ORCの発足が決まってから2週間弱で最初のサークル活動をやりました。期間が短かったのですが、おとラグ中級編に参加していた人を中心に20人くらいの方が集まってくれました。
てん: 参加してくれた人が友達に声をかけてくれたり、SNSを見て新たに参加してくれる人もいて、新しくつながって。現在はオプチャに43人います。
Go: 100人になったらいいよね。
てん: 100人になったら大人の大運動会やりたい。ラグビーとは関係ないけど面白そう(笑)。
Ami: 京セラドームとか借りてね(笑)。
ーーーORCでこれからやりたいことはありますか。
てん: ORCに来てほしいのは、ラグビーが好きな人はもちろんのこと、Goさんのようにラグビーの「ラ」の字も知らないような、これまでラグビーに興味を持っていなかった人にも来て欲しいです。ラグビーを見る“きっかけ”とか、大きな括りで言うとラグビーを“普及”するためには、やっぱりそういうラグビーをまったく知らない方に来ていただきたいっていうのはあります。
Go: 運営でいえば、ORCを長く持続可能なサークルにしたいっていうのをよく3人で話しています。みんなに会いたくて自然と人が集まってくるような楽しいサークルにしたい!と思っています。
ORCは活動理念を“お互いへの『思いやり』を持ち、みんなでサークル活動を楽しむ”としています。一番理想とするのは、たとえこの先にメンバーが変わったとしても、おとラグのDNAから生まれたORCに込めた想いがこの先も伝わり続けて、ずっと続いていくようなサークル活動にしていきたいですね。
てん: 今は私が練習メニューを組んで、練習の先導をしています。これからはGoさんやAmiさんも一緒に練習メニューを考えたり、ゲーム前のアップを分担してやってみようと思っています。最終的には私がいなくても誰かが練習をやってくれるところまでできたら!と思っています。
Go: ORCは運営担当だけで運営ができている訳ではなく、参加しているメンバーの力がとても大きいです。みんなが協力をしてサークル活動を助けてくれています。至らないことがあった際に、必ず誰かが気がつきお教えてくれたり助けてくれることで、そこから軌道修正をしたり見直したりができ、活動ができています。
ーーーORC、本当に楽しそうですね。
*てん:*今度、花園近鉄ライナーズ vs.三重ホンダヒートのプレシーズンマッチが花園ラグビー場であります。その日に会場の近くで1時間くらいの体験会のようなORC※2 をやろうと思っています。ORCに興味があるけど練習に行くには遠い人たちからも参加したい!という声をいただいているので、「試合に行くから覗いてみようかな」と気軽に参加できるような会にしたいと思っています。
ーーー行きたくなってきました。
全員: ぜひ!お待ちしてます。
■ゲストスピーカー:ORC運営メンバーか?
左から てんさん、Goさん、amiさん
■筆者のつぶやき
おとラグから派生したサークルのインタビューをどこからやるか?喜連選手に相談したとき「大阪でしょ」と即答でした。インタビューが始まって、まずその熱量と息の合ったコメントが強く印象づきました。息の合った様子から、もう10年来の知り合いなのかと聞いてみると、お互いが認知して話すようになったのは、今(2023年)の『おとラグ』中級編以降とのこと。その後ORCが発足して3か月ですが、すでに信頼しあい分担して運営、さらに他のメンバーも協力的に運営を進めています。チームプレーで運営する様子は、まさに”ラグビー”だと感じました。
(*1)きーるのぼやき
stand.fm(インターネット配信ラジオ放送局)で喜連航平選手が行っているラジオの番組名。
名称の通り“たわいも無いぼやき”から、考えさせるテーマについての熱い語りや、友人やチームメイトのラグビー選手を呼んだコラボライブ等、多岐に渡る配信をしており、配信数は245回に及ぶ(2023年12月8日現在)。
(*2) 体験会のようなORC
2023年11月11日(土)にORC#5として開催。当日は花園近鉄ライナーズの選手が、サプライズゲストとして飛び入りで参加した。